アルプス工業株式会社
船の整体師、「歪取り工」
希少な技術の継承に挑む職人たち
どんなお仕事?
船体の「歪取り」作業を行います。溶接の際に熱で膨張して生じた歪みを、ガスバーナーで加熱、水で冷却する作業を繰り返し、本来の水平な形に戻します。最終仕上げの重要な作業。頭を使ってコツを覚える、モノづくりの緻密さが凝縮されています。専門業者は全国的に少なく、各地の造船所で重宝されています。
突撃ライターがずばり社長に聞いた!どんな会社?
スポットは当たりにくいが、大事な仕事
「私たちの仕事は、『歪取り』です」。アルプス工業を率いる麻生社長にそう説明してもらった取材陣ですが、すぐに意味を理解できず、頭の中に「?」が浮かんできました。「溶接」や「組立」といった言葉には馴染みがありましたが、「歪取り」は初耳だったのです。
ただ、どうやらそれもそのはず、だったようです。「造船の業種の中でも、特殊でマニアックな仕事ですからね」と麻生社長。
「歪み」とは、鉄板を溶接したり、組み立てたりする際に熱によって鋼板が膨張する現象のこと。そして、それをガスバーナーによる熱と水による冷却作業を組み合わせ、真っ平らな元の状態に戻す作業を「歪取り」というそうです。
それは、「船の端から端まで、あらゆる場所で生じているんです」と麻生社長。たった1つの小さな歪みが、大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。だからこそ、「スポットは当たりにくいかもしれませんが、大事な仕事なんです。まさに、縁の下の力持ちですね」と、麻生社長は歪取りの魅力を語ります。
若手を歓迎。 マンツーマン指導からスタート
数ある造船の仕事の中でも、特に「カンを頼りに行う作業」(麻生社長)でもあるそう。繊細な作業が求められるからで、マニュアルをつくるのが難しく、当然インターネットで調べることもできません。
その影響もあってか、歪取りを専門的に扱う業者は全国的に少なく、一流の職人は各造船所内に数えるほどしかいないそう。そのため、全国の造船所から「来てくれないか」とSOSの声がかかるといいます。ここで技術を磨けば、各地の造船所で活躍できるチャンスもあるというわけです。
そんなアルプス工業は現在、7人体制で現場を駆け回っています。キャリア10年を超えるようなベテランから、未経験で入社した修行中の社員まで、その顔ぶれは多彩です。
熟練技が求められるため、未経験では難しいのではないかーー。そんな疑問や心配も浮かんできますが、「最初は先輩作業員とのマンツーマンでの作業からスタートするので、心配ありませんよ」と麻生社長。実際、最近になって高校求人を始めるなど、若手の育成に力を注いでいます。
そして、麻生社長は今後の展望についてこう力強く語ってくれました。「私自身、いろんな造船所を回ってきました。そこで目にした新たな発見や刺激を取り入れながら、歪取りの技術をどんどん進化させています。この希少な技術を、後世に継承していきたいですね」
社員Aさんの1日
07:00 | 07:45 | 08:00 | 10:00-10:15 | 12:00 | 13:00 | 15:00-15:15 | 16:50 | 17:00 | 18:00 |
起床 | 出社 | 午前始業 体操 | 休憩 | 午前終業 | 午後始業 | 休憩 | 構内片付け 清掃 | 午後終業 | 帰宅 |
社員が本音で語ります! ここに仕事のやりがい、あります
未経験でも安心のマンツーマン指導溶接や取付、プラント設備にも応用できる
まだ今ほど人数のいない初期の頃から、麻生社長と二人三脚で現場作業に携わってきました。少しずつ仲間が増え、現在は7人体制です。
歪取りの作業には、職人のカンに頼る部分が多くあります。高度なスキルが求められるため、教育も一筋縄ではいきません。長年の感覚でやっているような作業を、うまく言葉にして伝えるのが難しいんです。
加えて、すぐに技術をマスターできるわけではありません。私も新人時代は苦労しました。それでも、真面目にコツコツ取り組んでいれば、今の私のように技術を磨くことができます。苦労した分、やりがいは大きいんです。
ですから、未経験でも大丈夫ですよ。最初はベテランの作業員とマンツーマンで一緒に作業しながら、じっくり覚えてもらうようにしています。わかりやすく伝える、教えることは常に心がけていますね。
歪取りの技術を身につけられれば、溶接や取付作業などにも知識を活かせます。さらに船だけでなく、プラント設備など他の業界や現場にも応用できます。手に職をつけたい人にとっては、とてもいい経験になると思いますね。(40代男性)
30歳の節目に一大決心、造船の世界へ。興味さえあれば、初心者でも成長できる
現在、入社7年目です。以前は家電の営業関係の仕事をしていたんですが、30歳の節目を前に「生き方を変えてみよう」と、今までやったことのない仕事にチャレンジしてみようと。それで、思い切って造船の世界に飛び込みました。
では、なぜ「歪取り」だったのか。それは、直感的に「おもしろそう」と思ったからです。まったく聞いたことのない、しかも難しそうな作業でした。でも、だからこそ興味が湧いたんでしょうね。
入社後は、先輩に教えてもらいながら、少しずつ仕事を覚えていきました。みなさん、指導にとても熱心なんです。正直、最初はわからないことが多かったですよ。でも、大事なのは興味、好奇心です。私にはそれがあったので、ここまで続けることができたんだと思います。先輩たちの熱意に応えたい気持ちもありましたね。
職人の世界にはスパルタ教育のイメージがあるかもしれませんが、麻生社長は30代半ばと若く、古きよき時代の考え方とは違います。ベテランも若手も一緒になって、チームとして成長していく。そういう姿が、今後のスタンダードになっていくのではないでしょうか。(30代男性)
定時で帰宅、安定した休日
時期によって多少の波はありますが、休日は安定して取ることができますよ。作業量が多いときは1日当たり数時間の残業があることもありますが、そうでなければ朝8時から夕方5時までの定時で帰宅できますし、土日も休めます。(40代男性)
こんな人にピッタリの仕事です
- マンツーマンの 指導を受けたい人
- 集中力が必要な 作業が得意な人
- 頭を使った モノづくりに 関心のある人
- 若い社長のもとで 自分らしく 働きたい人
- 特殊なスキルを 身につけたい人
Gallery
採用情報
- 職種
- 歪取り工事
- 職務内容
- 歪取り工事
- 勤務地
- (株)臼杵造船所 構内
- 勤務時間
- 8:00~17:00
- 給与
- 月給:16万~21万 / 賞与:年2回 ※前年実績
- 休日
- 週休2日制・GW・年末年始・夏季休業あり
- 各種手当
- 通勤手当
- 保険等
- 雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金
- 応募資格
- 不問
- 応募方法
- 面接
- 問合わせ先
- アルプス工業株式会社 代表取締役 麻生 晃司
TEL:090-7924-8187
会社情報
- 会社名
- アルプス工業株式会社
- 業種
- 船舶造修業
- 代表者
- 代表取締役 麻生 晃司
- 所在地
- 大分県津久見市門前町1-17
- 社員数
- 2名
- 平均年齢
- 39歳